■旧教会堂の老朽化 | ||
厚木上教会の会堂建築(3回)のうち、2回目の戦後間もない1947(昭22)年7月に献堂された旧教会堂は、主の御配慮により、資源不足のなか、米国進駐軍への働きかけによって、厚木基地内の旧日本海軍施設2棟を解体した古財の提供を幸運にも受け、現在地に建てることができた。小さな平屋のトタン屋根の家屋であり、当初は内側は土壁、床も畳敷きであった。しかし、さすがに老朽化は早く、教会土地の取得がなった1980(昭55)年ごろより、新教会堂の建築への気運がしだいに高まっていった。その後も、教会の充実とともに改築や修理を繰り返して使用してきたが、老朽化は明らかだった。 | ||
■会堂建築計画 | ||
祈りの大切さ | ||
現在の新教会堂の建築計画は、全国の方々の祈りから始まった。1982(昭57)年9月、『信徒の友』の「この教会のために」の欄に、柴勇牧師が会堂再建を祈りの課題に出され、突如全国から137通もの祈りの報告の葉書が寄せられた。信徒にとっては寝耳に水であったが、その時から献金活動が始められた。そして、4年後の1986年9月にも、柴適牧師が同様の祈りの課題を出され、再び多くの葉書が寄せられたのを受け、直ちに会堂建築準備委員会の結成が決定され、本格的な会堂建築計画が始まった。 その後も、祈りは大きな効果を生んでいる。祈りは教会員の一致と主への委ねをもたらし、その結果、誰一人欠けることなく、会堂建築が達成された。 |
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会堂建築委員会の活動 | ||
1987(昭62)年〜2002(平14)年の15年間、4期にわたる委員会が設けられ、最後の第4期の委員会(2000〜2002年)のわずか2年で、新教会堂が完成した。 | ||
委員会活動は、一部の人の計画でなく教会全体の計画とし、会堂建築が教会全体の願いであることの確認、場所や方法などの基本合意の形成、具体的な実行での協力体制のうえで、重要な役割を果たした。なお、委員会の合意は、必ず役員会の承認を経て、実行に移した。 |
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献金活動(別会計) | ||
会堂建築献金‥毎月定額で払う基本的な献金 教会債‥‥‥‥教会が発行して資金を集め、会堂完成後に返済 予約献金‥‥‥資金不足の際、各自で額を決め献金(返済なし・2回) 一般募金‥‥‥趣意書を送り、全国の教団教会・縁故の所へ献金依頼(2回) 教団援助金‥‥神奈川教区から授受 その他‥‥‥‥ベテル献金(家で献金箱に貯金し、教会に捧げる献金) バザー売上・昼食費・コーヒー代・ケーキ販売・特別献金 ※銀行ローン‥教団提携ローンにて |
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計画の進行 | ||
建築体制の決定 教会‥‥‥‥会堂建築委員会 設計事務所‥一粒社ヴォーリズ建築事務所 施工業者‥‥櫻内工務店 教会堂建築のビジョン(会堂建築の指針)の策定 1.宣教の業が最大限生かされる教会 2.ここに教会があるという存在感のある教会 3.温かい雰囲気や親しみが感じられる教会 4.礼拝堂が祈り・賛美の場として配慮された教会 5.さまざまな教会活動に多目的に使える教会 6.高齢者や子供・障害者や病の方も共に憩える教会 7.自然を取り入れつつ清潔さが保ちやすい教会 8.火災や地震など防災面で配慮された安全な教会 9.地域に密着し社会奉仕の場として提供できる教会 |
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設計変更 1年をかけ、実に10回も行なわれた。 それは同時に、教会員がめざす教会の理想、費用の削減とも関わる。 そのため、礼拝後に教会員に説明会を7回も開き、合意形成を図った。 |
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工事中の礼拝場所の確保 主日礼拝の場所‥‥‥白洋舎相模支店・食堂 CS礼拝・集会の場所‥旅館さがみ・食堂 工事への準備 ボーリング調査・荷物の整理・趣意書発送・契約(設計事務所・施工業者) 工事前の近隣挨拶・教団へ書類申請・市役所へ確認申請・教会荷物の引越 臨時教会総会による最終案の議決承認など |
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建築の工程 三者協議(教会・ヴォーリズ・櫻内)を毎月1回開き、工事の状況を確認。 解体工事・起工式・基礎工事・建方見学会(棟上式)・完成説明会・引渡式 |
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完成後の取り組み 献堂式準備委員会・文書作成委員会の同時開催・教会荷物の搬入 献堂式(2回)・記念誌「麦の穂−新教会堂完成記念文集−」の発行 |
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