■ノルトン宣教師と年間伝道計画 | ||
年間伝道計画は、伝道活動を教会暦の中に組み込み、大きな教会行事を節目にしつつ、1年間を通じての伝道によって、求道者を洗礼に導く計画であり、米国人リチャード・B・ノルトン宣教師が、33年の日本宣教を通じ、さらに多くの学びと経験から工夫を重ね、たいせつに温めてこられたものである。ノルトン師は、1983(昭58)年に東北学院大学(教授)を辞され、日本宣教の最後の3年間を神奈川県の湘北地区協力宣教師となられたが、厚木の地に住まわれたこともあり、とくに当厚木上教会と深く関わられた。そして、同年に牧師を継がれたばかりの柴適牧師を支え、月1回の礼拝説教・礼拝式の充実(クリスマス燭火礼拝・イースター主の晩餐礼拝)・信徒研修会などを通じ、大きな影響を与えられた。なかでも年間伝道計画は、日本滞在の最後の1985(昭60)年度に当教会でほぼ完全に実習され、以来今日に継承されており、当教会の最も大きな特色となっている。 |
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■年間伝道計画の概要 | ||
年間伝道計画は、イースター(復活日・公現日)を起点として、最初の準備段階と、3段階の伝道活動で構成される。その計画の内容は、おおよそ次のとおりである。なお、現在の当教会においては、具体的な実施内容は、各年度の状況に応じて異なっている。 | ||
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準備段階 −復活日から聖霊降臨日までの7週間− |
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計画立案と信徒訓練の期間であり、本格的な伝道活動に入るための準備の時である。 計画立案は、次のようになされる。 ・伝道委員会・役員会の責任 全体計画を作成・担当者および協力者の決定 ・有望な対象者のリスト作成 導く見込みのある求道者を選定 ・行動計画の立案 家庭集会・案内状・ポスター・映画会・伝道集会などの計画 信徒研修は、次のようになされる。 ・伝道研修会(伝道セミナー)の開催 礼拝後に行なうのがよい(5〜6週間・30分程度) テーマは伝道に関する一般論(定義・方法など) 内容は家庭伝道・地域伝道・職場伝道・教会伝道など。 ・教会独自の手引書を作成し、使用しつつ改善していればよい。 ・最後の週には祈祷会を開き、伝道計画全体に聖霊の導きを得る。 |
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伝道の第1段階 −聖霊降臨節(聖霊降臨日から世界聖餐日まで)の4か月間− |
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教会員全員で行なう集中伝道の期間である。すべての計画を実行し、求道者を信仰に、さらには洗礼へと導く。この期間の最後には伝道集会が置かれ、有望な対象者は伝道集会に導かれ、キリスト教信仰を真剣に学ぶことを勧められる。 | ||
伝道活動は、次のようになされる。 ・聖霊降臨節の説教は、伝道を支えるものでありたい。 ・有望な対象者にはもれなく働きかけ、個人的関係を作り、教会へと導く。 ・個人的な証しを通して、信仰を分かち合う。 ・奉仕者は報告し合い、ともに考え、祈り、助言や励ましを受ける。 |
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伝道集会は、次のようになされる。 ・伝道集会に出席し、良い雰囲気を保つことは全教会員の責任である。 ・チラシや広告など、効果的な宣伝を考える。 ・なるべく主日礼拝を避け、午後に何日か連続して行なう。 ・通常の礼拝形式とは異なった、うち解けた集会にする。 ・交わりの会を設け、教会員は新しい人と積極的に交わることを心がける。 ・集会後に、決心者を募ることが望ましい。 |
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伝道の第2段階 −契約節と待降節(アドベント)の3か月間− |
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「初穂の借り入れ」の期間であり、伝道集会での決心者を、牧師による求道者会により、信仰教育する時である。この期間の最後はクリスマス礼拝が置かれ、契約式として、決心者が受洗決心表明をして終わる。 | ||
求道者会は、次のようになされる。 ・この段階からは、牧師中心の学びの期間となる。 ・10月から12月までの8〜12週の実施。 ・礼拝後1時間ほどで行ない、礼拝出席の習慣をつけさせる。 ・キリスト教の基礎を幅広く教える。 神・イエスキリスト・聖霊・創造・人・罪・愛・救いなど ・学びの会には、決心者のみでなく、学びたい人は誰でも参加できる。 |
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伝道の第3段階 −公現節と四旬節(レント)の3〜4週間− |
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「収穫の完成」の期間であり、契約者は、牧師による洗礼志願者準備会により、教会員としての教育訓練がなされる最終段階の時である。最終的に責任役員会の試問会により受洗してよいか決定されると、復活日(イースター)礼拝にて洗礼を受け、年間伝道計画は終了となる。 | ||
洗礼志願者準備会は、次のようになされる。 ・この段階も、牧師中心の学びの期間となる。 ・公現日(クリスマスの12日後)から、求道者会と同じ形式で実施。 ・教会員にふさわしい信仰生活について教えられる。 礼拝・教会組織・交わり・奉仕・聖書・祈り・教会生活・家庭生活など |
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責任役員会の役割 ・役員は交替で洗礼志願者準備会に加わり、話し合いに加わる。 ・責任役員会は試問会を開いて志願者を個別に招き、受洗の適正を確認。 ・もし準備が充分でなければ、志願者にはその旨を告げ、受洗を延期する。 |
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